このプロジェクトの要点
- 一次回答の自動化率:約60%を達成し、オペレーターの受電数を削減
- 平均応答時間(Chat):2分から10秒以内へ短縮、ユーザー待機時間を解消
- 社内FAQやマニュアルをベクター検索(RAG)で瞬時に参照、正確な回答を生成
課題:問い合わせ急増に伴うオペレーターの疲弊と回答のばらつき
事業の急成長に伴い、ユーザーからの問い合わせ件数が前年比で2倍に急増。カスタマーサポート(CS)部門の体制強化が追いつかず、応答遅延が頻発していた。
また、複雑な製品仕様に関する問い合わせが多く、オペレーター個人の知識量によって回答の正確性や対応時間に大きなばらつきが生じており、顧客満足度の低下が懸念されていた。
- 問い合わせ件数の急増による、チャットやメール対応の遅延
- 複雑な仕様書の確認に時間がかかり、1件あたりの対応時間が長期化
- オペレーター個人のスキルや経験により、回答の品質に差がある
- 蓄積された過去の優秀な対応ログやドキュメントが有効活用されていない
私たちの打ち手:LLMとRAGを組み合わせた、賢く安全な回答アシスタント
既存の対応履歴、製品マニュアル、FAQドキュメントをすべてベクトル化してデータベースに格納。ユーザーの質問意図を解析し、最も関連性の高いドキュメントを瞬時に検索・要約して回答を組み立てるRAG(Retrieval-Augmented Generation)システムを開発した。
まずは顧客向けのAIチャットボットとして公開し、一次対応を自動化。自動で解決しなかった場合はシームレスに人間(有人オペレーター)へ引き継ぐハイブリッドな運用設計とした。また、管理画面ではオペレーター向けの「下書き自動生成アシスタント」としても機能するようにした。
システム構成
- フロントエンド:顧客向けチャットウィジェット & オペレーター用管理ダッシュボード
- LLM/RAGエンジン:Vercel AI SDK + GPT-4o + Pinecone(ベクトルデータベース)
- データローダー:社内ドキュメント(PDF、Notion)を自動でセグメント化・ベクトル化して同期
- オペレーター引き継ぎ:AIと人間のやり取りをログごとリアルタイムで連携する制御層
成果:一次回答の自動化と、サポート品質の均一化
RAGベースの自動応答システムの導入により、簡単な問い合わせはAIが即座に解決するようになった。オペレーターはより複雑で個別対応が必要な問い合わせに集中できる環境が整った。
- 顧客からのチャット問い合わせの約60%をAIのみで自己解決
- チャットボットの平均応答時間は10秒以内(有人時の平均2分から大幅短縮)
- オペレーターの回答下書き生成機能により、メール作成時間を半減
- 常に最新の公式ドキュメントを参照して生成するため、誤回答率が極めてゼロに近い安全な運用を実現
技術・体制・期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な技術 | Next.js / Pinecone / OpenAI API / Vercel AI SDK |
| 体制 | PM1名 + AIエンジニア2名 + フロントエンドエンジニア1名 |
| 期間 | 設計・プロトタイプ検証 約1.5ヶ月 + 開発・テスト・段階リリース 約3.5ヶ月 |
| その後 | ユーザーのフィードバック評価(Good/Badボタン)をもとに回答チューニングを継続 |